「万引き」って聞いたことがあると思います。
テレビでも、万引きGメンが、スーパーや本屋さんで万引きしている人を捕まえている様子が取り上げられていることがありますね。
一体「万引き」っていうのはどういうことなのでしょうか?万引きするとどうなるのでしょうか?
万引きって軽いこと?
「万引き」という言葉ができた経緯は諸説ありますが、万引きは「窃盗」(せっとう)と同じ意味です。
「万引き」という言葉が使われているからと言って、「窃盗」には変わりませんし、刑法(けいほう)という法律で決められている10年以下の期間刑務所か50万円以下の罰金という刑罰が下ることも変わりません。
なので、「万引き」は盗みとは別物、盗みでも軽いやつ、と思っていた人は大間違いです。
万引きしたら、お店はどれぐらい損?
でも、中にはお菓子を1個盗んだぐらい、いっぱい稼いでいるお店からしたら、たいしたことないでしょ?と考えている人がいるかもしれません。
100円のお菓子を盗んでも、100円のお菓子を売ったら100円稼げるんだから、すぐに損を取り戻せるじゃん!大した損じゃないじゃん?1つぐらい盗んでも変わりないでしょ?
と考えている人が実際いるようです。
未成年者が悪いことをすると鑑別所に入れられることがあります。
そして、鑑別所では、万引きについて考える講習というものがあります。その講習の内容の一部をご紹介します。
100円のお菓子は、まず工場で作られて、お店で売られることになります。
お菓子を作るためには、材料も必要ですし、工場で働く人の手間もかかります。
そうすると、100円のお菓子を作るためには、材料の費用と工場で働く人のお給料が必要になります。
100円のお菓子を作るために、50円ぐらいは、材料費、工場で働く人のお給料で必要になるのではないでしょうか。
工場で100円のお菓子を作った後、トラックでお店までお菓子を運ぶことになります。ガソリン代も必要になりますし、運転手さんのお給料も必要になります。20
円ぐらいでしょうか。
そして、100円のお菓子がお店に到着した後、店員さんがお菓子を売ることになります。100円のお菓子を売るための店員さんの給料は10円ぐらい必要でしょうか。
つまり、100円のお菓子を作って売るためには、いろいろな費用がかかっています。
100円のお菓子を作って売るためには90円の費用がかかっているとすれば、儲かるお金は10円だけになります。
お店は100円のお菓子を売っても10円しか儲からないのです。
でも、100円のお菓子が盗まれてしまうと100円分損をしています。この損を取
り返そうとすると、100円のお菓子を10個売らないといけなくなります。
もし、100個のお菓子が万引きされると、1万個のお菓子を売って、やっと、プラスマイナスゼロ。1万個のお菓子を売っても、利益はゼロ、マイナスが無くなるだけなのです。
こんな風に考えてみたことありました?
万引きでお店が潰れたらどうなるの?
万引きでお店が潰れてしまうことは多くあるようです。
お店が潰れてしまったら、お店で働いていた人が職を失うことになります。
給料がもらえなくなるので、食事をしたり、欲しいものが買えなくなります。
人によっては、子どもの学校の入学金が払えなくなったり、結婚式の費用が払えなくなったり、人生のために大切なお金が払えなくなる可能性もあります。
100円のお菓子の万引きが、人の人生を悪い方向に変えてしまうこともあるのです。
さいごに
万引きをすると警察に逮捕されたり、鑑別所、少年院、刑務所に入れられることもあります。そうすると、自分自身の生活や人生も狂ってしまうかもしれません。
それだけでなく、周りの人の人生も壊してしまう可能性もあります。
全員が不幸になること、それが万引きをする、という意味です。
これでも、万引きなんて軽いこと、と思いますか?