ヤンキー映画などでも、他校の生徒と「テッペン」を決めるため、お互いのプライドを守るために、大人数による決闘をするシーンが描かれることがあります。
決闘の場面では、素手で殴り合うことが多いですが、バットや木の棒で殴り合ったり武器を使うシーンもあります。
映画を見る側としては、「カッコいい!」「胸が熱くなる!」と思ってしまいますが、実際に、映画のように決闘をしたらどのようになるでしょうか。
人を殴ったりケガをさせること
人を殴ったり、ケガをさせると警察に逮捕されてしまうことはみんな知ってるでしょう。これは、人を殴ったりすると暴行罪、ケガをさせると傷害罪という犯罪になるからですね。
未成年同士でも、友達同士でも、暴行罪や傷害罪になります。
お互いの同意があると?
でも、「決闘」というのは、お互いが喧嘩をするという約束をしています。言い換えると、殴ったり、蹴られたりすることはお互い様で納得していることになります。
そうすると犯罪にならないんじゃないの?と思うよね。
例えば、ボクシングの試合やプロレスでも、お互いが殴ったりケガをさせたりしていますが、警察に捕まることはありません。
これと同じじゃないの?と思うかもしれません。
でも、ボクシングやプロレスは競技でしっかりとしたルールに基づくものです。
誰もが認める「正当な行為」として、暴行罪や傷害罪として捕まることはないのです。
ルールを決めれば決闘してもいいの?
「決闘」はルールを決めたとしても犯罪になります。武器禁止、素手のみとか、1人づつタイマンで喧嘩をするというルールを決めていたとしても、決闘罪になります。
ボクシングなどの競技と違って、ルールを本当に守れるかもわかりませんし、素人がやることから重傷になる可能性も高いからです。
決して決闘は「正当な行為」とは認められません。
決闘をすると、2年以上5年以下の間で刑務所に行かなければならないとされています。
未成年でいうと、鑑別所や少年院に行くことになります。
手伝うだけで喧嘩はしないからいいか?
決闘をするときは、どちらが勝ちかを決めるために、立会人を決めることがあります。
2つの学校で喧嘩をするなら、関係のない学校の人が立ち合いになるシーンを映画で見たことがあるかもしれません。
立会人は、喧嘩に参加しないので、特に問題ないと思うかもしれませんが、決闘を止めさせるために、立会人も処罰の対象となっています。
喧嘩をしなくても、立会人になると1か月以上1年以下の間で刑務所に行かなければならなくなります。
ほかも、喧嘩には参加しなくてもいいけど、武器を用意してくれと言われて武器を用意した場合でも、処罰の対象になります。決闘に参加したかどうかは関係ありません。決闘に使われることを分かりながら、武器を準備した場合には、凶器準備集合罪という犯罪になるのです。2年以下の間刑務所に行かなければならなくなります。
野次馬として応援してるだけなら?
自分は決闘にかからないけど、おもしろそうだから見に行く。遠くから決闘を煽って楽しむぐらいなら、いいでしょ?
実はこれもダメなんです。やっぱり人間人から応援させると頑張っちゃいますよね?
無責任に応援したり、煽ったりして決闘を盛り上げた人も、決闘の責任を取るべきだと考えられているんです。
現場ほう助罪という犯罪になり、1年以下の間刑務所に行かなければならなくなります。
決闘を見てしまっただけ、決闘を知っていて止めなかった、というだけであれば、犯罪にはなりません。
でも、決闘に関わってしまうと、実際に決闘に参加しなくても、逮捕されたり、鑑別所・少年院に入れられる可能性があるということは知っておきましょう。
もし、決闘にかかわろうと思っている人がいたら、鑑別所や少年院に行きたいの?って聞いてください。そんなわけないと思いますので。
決闘に参加なくても、犯罪になる可能性がある。
軽い気持ちで決闘に関わろうとしている人がいたら絶対止めましょう。