よく報道で「ひき逃げ」って言葉を聞きますよね。
「ひき逃げ」って言葉を素直にとらえると、車を運転中、歩いている人をひいてその人が倒れているのに、それを放ってその場から逃げちゃうことっていうイメージですね。
でも、実は、「ひき逃げ」ってもう少し広い概念なんです。
「ひき逃げ」は、①交通事故で人をケガさせてしまったときに、②必要な処置をしないで現場を立ち去ることをいいます。①のときに、何もしないで逃げちゃったってときに、「ひき逃げ」になるんです。
「ひき逃げ」の正式名称は、道路交通法上の「救護義務違反」っていう罪です。
では①のとき、つまり交通事故で人をケガさせてしまったときってどんな場合でしょうか。もちろん、歩いている人を車でひいてしまったってときもそうです。だけど、これだけじゃなくて、車を運転しているときに、前や横の車にぶつかって、その車に乗っている人にケガをさせてしまった。こんなときも、交通事故で人をケガさせてしまったときにあてはまります。
つまり、車を運転していて、他の車とぶつかった、その車に乗っている人がケガをしてしまった、なのに、ブーンと走り去って逃げちゃった。こんなときも、「ひき逃げ」になるんです。なんか「ひき逃げ」って言葉にあわないけど。
マスコミなどで使われる言葉と法律の世界で使われる言葉がズレることってよくあります。マスコミの方は視聴者に聞いてイメージできるように言葉を作っておられるんです。「救護義務違反」って言われてもピンとこないけど、「ひき逃げ」って言われれば、なんかイメージつきやすいですもんね。
最後に、じゃあどうすれば「ひき逃げ」にならないかを説明しておきますね。交通事故を起こしてしまったってときに、すぐに車を停止して、ケガさせてしまった相手の救護と、二次事故に遭わないような対応をしてね。あと警察への通報も忘れずに。
みんなはまだ車の免許は持っていないだろうけど、原付だったり中型二輪だったりに乗っている子もいると思います。安全第一で運転してね。