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男の子

実は、いじめられていて、昨日、顔を叩かれてしまいました。

先生

それはひどいね。続いているの?

男の子

はい。親に相談したら、やり返さないから舐められるんだ。

やり返せって言われたんです。

先生

いじめはエスカレートしていくからね。でもやり返すのはいいのかな?

いじめ」これは、学校生活では避けては通れないテーマです。

いじめの被害者になることもありますし、加害者になることもあります。そして、その両方になることもあります。

いじめというのは、大人の世界でもあり、一生付き合っていかないといけない問題かもしれません。

「いじめ」とは?

普段から「いじめ」ってという言葉を何となく使っていると思います。「あれっていじめじゃない?」と考えるときもあると思いますし、「これはいじめじゃないくて、「イジリ」でしょ。」という場合もあるでしょう。

そもそも、「いじめ」って何?ということについて、法律で定義が決められています。

いじめ防止対策推進法という法律です。

少し難しい言い方ですが、「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等、当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。と定義されています。

簡単にまとめると、「いじめ」とは、小学校から高校生までの子ども同士が相手を嫌な気持ちにさせたり、ケガをさせたりすることで、その相手の子どもが苦痛を感じているものをいいます。

例えば、分かりやすいものでいうと悪口を言ったり、殴ったりすることは「いじめ」になります。

「イジリでしょ?」「これぐらいいいでしょ?」「冗談じゃん」というのは、言ったりやったりした側が判断するのではありません。された側が苦痛を感じたかどうかが重要なのです。

いじめかどうかは、いじめを受けた側が判断することになるのです。

実際の「いじめ」ってどんなの?

実際に「いじめ」と言われるエピソードにはどのようなものがあるでしょうか。

文部科学省(もんぶかがくしょう)という国の組織が、実際にあったいじめを公表していますので、紹介します。

Aが被害者、Bが加害者として紹介します。

① BがAに対し「女子生徒の嫌がることをしろ」、女子生徒への告白を「やらないと痛い目にあうぞ」「先生にはC(無関係の生徒)にやらされたと言え」などと無理やりやらせていた。

② AとBとは同じグループの一員でしたが、Aはグループ内での立場が弱く、からかいやいじり、嫌がらせをされていた。

③ Aは、Bから、同じ学級内の女子生徒Bと席が近くなった際や体育等でペアを組む際に、「最悪、地獄、キモい」と言われていた。

④ Aは、Bを含む3人から数日間無視され、1週間以上に渡って欠席することになった。

⑤ Bがインターネット掲示板に、Aを装って、名前・電話番号を記載した上で、出会い系サイトに書き込んだかのような内容の書き込みがされた。

⑥ Aは、Bから「死ね」「殺す」「チビ」「デブ」「ジュースおご ってくれ」「今日も部活さぼるのか」などのメッセージが何度も送られてきた。

⑦ AはBとオンラインゲーム上のチャットで知り合ったが、小さいことでトラブルとなり、そこにAと全く関係ない人が加わって、B とともにネット上で面白半分にAの悪口を言った。

「こんな事でもいじめになるの?」と思ったら注意です!もし、自分も同じようなことをしている。。というのであれば、直ぐに止めて謝りましょう。

いじめは犯罪?

先ほど、紹介したように、「いじめ」といっても、内容はいろいろあります。

実は、「いじめ」の中には、犯罪になるものもあります。

例えば、人を殴ったりしてケガをさせると傷害罪という犯罪になります。ケガをしていなくても、暴行罪という犯罪になります。

他にも、先ほどの「いじめ」の例でいうと、誰かに嘘の告白を強要することは強要罪という犯罪になります。

「いじめ」にとどまらず、「犯罪」になると、警察から逮捕されたり、鑑別所・少年院に入ることもあります。

正当防衛って何?

正当防衛」という言葉を聞いたことはありますか?

正当防衛というのは、例えば、いきなり殴られた場合に自分の身を守るため殴り返した場合、本当であれば、殴ることは暴行罪になります。そして、暴行罪になると逮捕されたりします。でも、自分の身を守るために止むを得ず殴り返した場合にも逮捕されるのはおかしいです。そのため、身を守る場合などは、「正当」な「防衛」だから、逮捕されることはありません。周りにも、怒られることはありませんし、罰せられることもありません。もちろん、相手がケガをしても病院代や慰謝料を支払う必要もありません。

このようなものを正当防衛といいます。正当防衛というのは、民法や刑法という法律で決められたルールです。

でも、「自分の身を守るため」だからと言って、やり返すことを全て認められるわけではありません。

「自分の身を守るため」であっても、やり過ぎは許されないですし、「復讐(ふくしゅう)」は法律では認められていないのです。

では、どんな場合に「正当防衛」になるでしょうか。

① 今やり返さないとやられる状況!

② 自分や友達を守ることが目的!

③ やり返す方法は一番弱い方法!

まず、①今やり返さないとやられる状況の場合だけ正当防衛になります。

例えば、1発殴られて、このままやり返さないと2発目殴られそうな場合に殴り返す場合です。

「今後殴られないように先に殴っておく」というのは単なる復讐で、正当防衛にはなりません。

他にも、インターネットで悪口を書かれたからと言って、悪口を書き返すというのも、「今やり返さないとやられる」という状況ではないので、ダメです。

つぎに、②自分や友達を守ることが目的でないと正当防衛にはなりません。

自分のためだけはなく、友達を守るためという目的でも大丈夫ですが、「この機会に、舐められないようにやり返そう」「やられたことは倍返し」「もともと嫌いだったから友達を守るふりしてやってやろう」という目的ではダメです。

最後に、③やり返す方法は一番弱い方法でないと正当防衛は認められません。

例えば、悪口を言われたから殴ったり蹴ったりした、というのはダメです。

この③については「武器対等の原則」という考え方があります。

以上の3つを守った場合のみ、「正当防衛」になります。

武器対等の原則とは!

相手の攻撃と同じ強さの防御でないとダメという考えです。

例えば、3人に囲まれて殴ったり蹴られた場合、あなた1人では勝てないかもしれません。

でも、もし、あなたが武器を持ったら、3人に対抗できるかもしれませんし、友達2人に助けを求めたら、3対3になりますので、対等になるでしょう。

ほかにも相手が格闘技を習っていたら、その相手には2人がかりなら対等になるかもしれません。

正当防衛としてやり返すという手段は最後の方法

正当防衛について説明しましたが、正当防衛は最後の手段です。

いじめを受けた場合には、親や先生に相談することやその場から逃げたり、無視したりすることでも解決できる場合があります。

やり返すことによって、逆にあなたがいじめの加害者になるかもしれません。

結論
いじめかどうかは、された側が決めること!
やり返すことが正当防衛になることもある!
やり返すのは最後の方法

先生
正当防衛になったとしても、やり返すことで、もしかしたら、加害者になるかもしれません。
1人で解決しようとせずに、周りを頼ってもいいですし、みんなでいじめを乗り越えていきましょう。

 

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