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男の子
彼女からプレゼントしてもらった服をクリー二ング店がミスしたようで、穴が開いていました。

先生
クリーニング店はどのように対応したの?

男の子
弁償するとは言っていますが、具体的な金額はまだです。慰謝料も請求したいのですが、できますか?

先生
クリーニング店のミスで服を使えなくなった場合、どこまで弁償してもらえるか考えてみよう。

季節の変わり目には衣替えをするために、服やコートをクリーニング店にまとめて持っていくことが多いです。みなさんの場合は、親御さんがクリーニング店に持って行くことになることが多いかも。

誰かのプレゼントであったり、思い出がある服は大切にしたいものです。

でも、もし、その服がクリーニング店のミスで穴が開いてしまったら?

どのような対応になるか説明していきます。

クリーニング店に預けてクリーニングに出すことの意味

法律的に考えると、クリーニングに出すことは

①服をきちんと預かって保管しておくこと

②クリーニングをすること

の2つの作業に分解できます。

このうちの①、②のいずれかにクリーニングの店のミスがあり、服に穴が開いた場合は、クリーニング店に弁償を求めることができます。

例えば、クリーニング店に服を預けた後、店員さんが、服をボールペンにひっかけてしまって穴が開いた場合やクリーニングする際にアイロンが熱すぎて穴が開いた場合などです。

新しい買い替え費用を弁償してもらえるの?

彼女から貰ったプレゼントで自分が買ったわけではありませんが、インターネットで探すと代金が分かります。新しく服を買い直すには、代金と同じお金が必要になります。例えば、書い直すのに3万円した場合、クリーニング店に3万円を弁償しろと請求できるのでしょうか。

彼女からプレゼントされた服の「状態」によって、弁償を請求できる金額が変わってきます。

プレゼントされた大切なブレザーに穴をあけられた場合、当然弁償してもらうことができます。

では、その金額は、同じ服を買い直すために必要な金額、全額になるでしょうか。

一度といえども、服は着てしまえば古着になってしまいますので、もしかしたら、全額は払ってもらえないかも?と思うかもしれません。

「弁償」についての考え方は、新しいものを買い直す費用ではなく、当時の服の価値を基準として考えることになります。もし穴をあけられなければずっと使えた、使えなくなったんだから、新しい物を買い直してほしいと思うのは当然ですが、法律の世界ではあくまでもその当時の服の価値しか弁償してもらえないのです。

では、一回服を着ただけでも古着として、価値は落ちてしまうのでしょうか。

「クリーニング事故賠償基準」という全国のクリーニング店の集まりで決めた弁償のルールというのがあります。このルールが参考になります。

服の種類はブレザーやスカート、コートなど様々なものがありますが、服の種類によって、使える期間の目安が決まっています。簡単にいうと、普通スカートは2年履くとボロボロになったり、ほつれたりするので、価値は0円になるよね。というものです。

今回はブレザーをプレゼントされたと考えるとブレザーの価値は↓のルールで決められています。

例えば、ブレザーが3万円で買ったもので、1年間着たものの、大切に着てきたので、状態が良かった。

この場合は、3万円×72%=2万1600円を弁償してもらえることになります。
※ブレザーは3年経つと0円

3か月未満 9か月から12か月使用 21か月から24か月使用
状態が大変良い 100%の代金弁償 82%の代金弁償 63%の代金弁償
状態が良い 100%の代金弁償 72%の代金弁償 47%の代金弁償
状態が良くない 100%の代金弁償 63%の代金弁償 35%の代金弁償

穴の開いたものの所有権は?

クリーニング店が弁償してくれた場合、穴をあけられた服はどうしたらいいのでしょうか。

実は、弁償というのは、その服を買い取る、ことを意味します。

そのため、弁償をした場合、クリーニング店の穴があいた服を渡さなければなりません。

せっかくプレゼントしてもらったものを渡すのはちょっと嫌ですね。

ですので、そこは、クリーニング店と話し合ってみてください。クリーニング店も穴のあいた服を貰っても使い道がありませんので。

1年後に気づいても弁償して貰えるの?

衣替えのためにクリーニング店に服を出した後、そのままタンスにしまったため、1年後に着ようと思ったら、穴があいてたということもあるかと思います。

1年後であっても弁償してもらえるんでしょうか。

弁償してもらえる期間は法律で決まっています。クリーニング店から服を返してもらってから、1年間は弁償してもらえるけど、それを超えると弁償して貰えないというルールになっています。

おかしいと思うかもしれませんが、クリーニング店から服を返してもらったときは必ず穴があいてないか確認すればいいだけです。大切な服であれば、なおさら自分でチェックしましょう。

慰謝料も請求できる?

彼女に貰った服に穴をあけられショックを受けた!慰謝料だ!という思いもあるかもしれません。

しかし、日本の法律の世界では、物が壊れたとしても慰謝料は請求できないことになっています。

服に穴があいたことをカノジョに責められ、振られてしまった場合でも慰謝料は請求できないのです。

結論
買い替え代金の全額は弁償してもらえない。
慰謝料の請求はできない。

先生
大切なものが壊れると悲しいのは当然です。でも、物はいつか壊れるものです。大切なのは物ではなく、思い出なんです。

 

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