子どもだから返せって。。
詳しく解説していくね。
突然、「借金を返せ!親の責任は子供の責任だろ!」と言って、借金取りが来た場合、どうしていいかわからなくなりますね。
親が離婚していたとしても、子どもであることは変わりはありません。
そのため、子どもだから、親の借金を返していかなければならないと思って、アルバイト代から借金を返していく人もいますし、将来就職した後も給料から少しづつ返していく人もいます。
でも、「法律的に」親の借金は子どもが返していく義務があるのでしょうか。
説明します。
借金を返す義務があるのは誰?
借金というのは、法律的にいうと、「お金を借りて返す」という約束、契約をすることを意味します。
もちろん、約束は、お金を貸す人と借りる人の2人ですることになります。
「2人の約束」ですので、約束を守る義務は約束をした2人だけにあります。
父親がお金を借りて返すという約束を誰かとしても、それは父親とお金を貸した人との約束ですので、約束していない子どもには借金を返済する義務はありません。
借金を返す義務は、父親だけにあるのです。
保証人って何?
保証人という言葉を聞いたことがあると思います。ほかにも、「連帯」保証人という言葉を聞いたこともあるかもしれません。
「保証人になっていれば、お金を代わりに返さなければいけない」ということはみんな知っていることです。
でも、実は、保証人というのも、保証人になること、つまり借金を保証人として私も返します。という約束をお金を貸した人としていたからこそ、お金を借りた人の代わりに借金を返さないといけなくなるのです。
だから、あなたが「保証人になる。」という約束をしていなければ、保証人にはならないので、父親の代わりに借金を返す必要はありません。
「子どもは保証人と同じだ!」と脅されたとしても、それは嘘です。保証人になるという約束をしていないからです。
ついでに、「保証人」と「連帯保証人」の違いについて説明します。
簡単に説明すると、「保証人」の場合は借金をした人がお金がなくて借金を返さない場合のみ代わりに借金を返していくことになります。「連帯保証人」は、借金をした人がお金があるかどうかにかかわらず、借金をした人に初めに取り立てをしたかどうかにかかわらず、請求されれば、借金を返さなければなりません。
もっと、簡単にいうと、あなたが連帯保証人になった場合には、お金を借りた人が大金持ちであっても、お金を貸した人はあなたに借金の返済を求めることができるのです。当然、あなたとしては、「借りた人は大金持ちなのだから、先にそっちに請求してよ!自分が借りたわけじゃないのに。」と思うかもしれませんが、「連帯」保証人の場合は、それでもあなたが返済をしなければならないのです。
子どもが返す義務があるの?
親の借金を子どもが返す義務というものはありません。
未成年者が保証人になることも普通はありえないです。
だから、借金取りが「親の責任は子供の責任だ」「子どもだから返せ」と言ってきても、無視してください。借金を返済する義務はないのですから。
また、父親の借金の理由が、あなたの学費や生活費であっても、同じです。借金したお金をどのように使ったかと、あなたが借金を返さないといけないのか、という問題は全く別ものです。借金したお金があなたのために使われていたとしても、あなたが借金を返さないといけない義務があるわけではありません。
それでも、借金の返済をしつこく要求された場合には、警察に相談してください。
借金を返す義務がないのにもかかわらず、しつこく借金の返済を要求することは、強要罪という犯罪になります。
借金も相続するの?
父親の借金を返さないといけない場合があるとすれば、それは父親が亡くなった時です。
父親が亡くなった場合は、子どもが相続人になります。
普通は、相続というとお金や自宅を親から受け継ぐというイメージがあります。
しかし、マイナスの財産である借金も相続されてしまうのです。
父親が亡くなれば、あなたが相続人として借金を返さなければなりません。
でも、そんなの不幸ですよね?そこで、法律で、「相続放棄」というルールを定めています。
父親が亡くなってから、3か月以内に裁判所で相続放棄の手続をすれば、借金を返済する義務がなくなるのです。
借金取りがやってはいけないこと
もし、自宅に借金取りがきたときの対処法として、借金を取り立てる際のルールを覚えておいてください。貸金業法(かしきんぎょうほう)という法律で、無茶な取立を禁止するためのルールを決めています。このルールに違反すると借金取りは逮捕されてしまいます。
①午後9時から午前8時までの間は、借金取りは電話をしたり、自宅に訪問してはいけません。
②自宅訪問の際に、帰るよう伝えられた場合には、自宅に居座ってはいけません。
③お金を借りた人や保証人以外の人に代わりに借金を返すよう要求してはいけません。
④お金を借りた人への取立てに協力しないと言われた場合には、更に協力を求めてはいけません。
借金も相続されるので、放棄すべき!
借金返してないからといって、無茶な取立てはダメ!