家族間では、勝手に物を使っちゃう、借りちゃうということはよくありますね。
家族なんだから、いいでしょ。という暗黙の了解がありますね。
でも、それを超えて、自分の物を勝手に売っちゃったり、盗んでいく場合でも、家族なんだから、ということで許されるのでしょうか。
窃盗罪
刑法(けいほう)という法律で、人の物を盗んだ時のルールについて定めています。
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪として、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」というルールです。
ここでいう「他人」とは、自分以外の人という意味で、家族であっても、「他人」です。
ちょっと借りてくだけなら?
「窃取」(せっしゅ)というのは、盗むという意味です。
盗むというのはどういう意味なのか深く考えたことありますか?
盗むというのは、人の物を自分の物にしてしまうという意味だと法律上は考えられています。
ですので、「ちょっと借りちゃおう」といって、他人の物をもっていく場合は、自分の物にするわけではないので、盗みにはなりません。
親族の場合の窃盗の特別ルール
ここまでの説明からすると、家族でも「他人」なので、窃盗罪が成立しそうです。
しかし、刑法のルールでは、家族は特別な扱いがされています。
家族の場合は、窃盗罪になる場合でも、刑を免除するというルールです。
つまり、家族であっても窃盗罪になりますが、罰は与えないという意味です。
なぜこのようなルールを決めたかというと、家族の問題は家族で解決して欲しいという希望があるからです。
落とし穴
だったら、家族の物だったら、盗んでも逮捕されたり、罰を与えられないなら、いいでしょ!と思う人もいるかもしれません。
しかし、落とし穴というものがあります。
例えば、家族の物だと思って盗んじゃった物が、実は家族の友達の忘れ物だった場合、家族間の盗みの問題でなくなるので、窃盗罪として罰を受けることになります。
また、友達と一緒になって家族のものを盗んだ場合は、その友達は家族ではないので、友達は窃盗罪として罰を受けることになります。
さいごに
法律のルールでは、家族間の盗みは罰を与えないとされています。
ただ、信用を失ったり、法律以外の罰を受けることは当然ありますので、家族であっても、人の嫌がることはしないようにしましょう。