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男の子
警察に昔逮捕されたことがある、少年院までいったんだって友達が言っていました。

先生
あらまぁ。何をしてしまったんだろう。

男の子
お年寄りからお金を取ったみたいです。
なんかかっこつけて話してくるんですが、警察署ではどんな生活なんですか?

先生
あら、特殊詐欺とかかなぁ。
全然かっこいいもんではないよ。今日は、鑑別所の1日をみてみよう。

近くにこんな友達いませんか?「俺少年院行ったことあるから」なんてことを自慢気に話してくる友達。しっかりと自分のやったことを反省している子はこんなことをいいません。

少年院に行くってことは人に迷惑のかかる悪いことをした場合です。

少年院に行くまでに、逮捕されて警察署で生活をして、その後鑑別所ってところで生活して、家庭裁判所の審判を受けて少年院に行くんだよ。どこの生活もそんな自慢気に話すような内容ではないんだよ。

今日は鑑別所での1日をみていこう。

「鑑別所」って何?

鑑別所って言葉、あまり聞きなれないんじゃないかな?

「鑑別所」は、正式名称は少年鑑別所と呼ばれ、家庭裁判所の少年審判の準備期間に入る施設だよ。家庭裁判所の審判は、その子がしたって疑われている悪いこと(非行)が本当にあったのか、本当にその子がしたのか、そうであればその子を今後どうすべきかってことを判断するためのものなんだ。

この施設に少年を収容するのは、長くて4週間だよって法律で決められているんだ(例外もあってその場合は8週間)。4週間、短いようで長いよね。1か月だもんね。

こんな「鑑別所」の生活ってどんなのだろう?

「鑑別所」での生活ってどんなの?

生活する部屋は、警察署とは違って机があったりテレビがあったりするんだよ。

トイレもカーテンを引いてできるんだ。警察署よりはましな生活だよね。

鑑別所では、名前は上の名前で呼ばれるよ。

1日の始まりは警察署と違って、朝7時に音楽が流れて起きることからスタートするんだ。

起きたら真っ先にやることは、布団をたたんで決められた場所に置くこと、ここらへんは警察署と同じだね。

起きて少ししたら、部屋の掃除をするよ。掃除は、掃き掃除や拭き掃除、トイレ掃除などをするんだ。テキパキ、きれいにしないと法務教官と呼ばれる先生に怒られるよ。

掃除が終われば朝の点呼をするよ。点呼っていうのは、部屋の中央に正座で座って、法務教官と挨拶をすることなんだ。

点呼が終わったら室内でテレビを観ながら運動をするんだ。運動は筋トレやストレッチ、アイソメトリックス運動などをするんだよ。アイソメトリックス運動はYOUTUBEにもその動画があがっているから一度見てみてね。

その後は、面会の時間になるよ。

面会時間

面会の時間ではお父さんお母さん、調査官、弁護士、いろいろな人が会いにきてくれるよ。

お父さんお母さんと面会できるのは、30分だよ。警察署とは違って、普通の部屋でお話できるんだ。だけど、たとえば、今回した悪いことの原因がお父さんやお母さんにあったり、普段から暴力があったりする場合など、どうしても会いたくないってときは法務教官にその気持ちを伝えれば面会しなくてもいいんだよ。

家庭裁判所の調査官さんとの面接がある人は教官が部屋まで呼びに来てくれるよ。家庭裁判所の調査官は、悪いことをしたって疑われているその子とお父さんやお母さんに会って、なんでこんなことになっちゃったか、その子が普段、どんな性格をしていて、どんな生活をしていたかなんかを色々聞くのがお仕事なんだ。場合によっては、心理テストなんかもされるよ。少年審判をするのは裁判官なんだけど、裁判官にその子のこと全部を報告するのが調査官なんだ。

あるいは、弁護士さんが会いにくることもあるよ。弁護士さんは、その子の完全な味方なんだ。もちろん弁護士さんに言った内容は「守秘義務」があるから絶対に他の人に言わないよ。

実は悪いことなんもしてないんだけどってときもはっきりとそれを伝えようね。逆に、悪いことをしちゃったときは正直に話して今後どうやったらもうしないかを一緒に考えていこうね。普段お母さんやお父さんに言えない悩みもどんどんここで言った方がいいと思うよ。

初めて弁護士さんと会ったときは、泣いちゃう子がたくさんいるよ。いつもは悪ぶっている子も、ワンワン泣いていることがあるよ。

面会の予定が何もない子は、本を読んだり、貼り絵をしたり、希望すれば室外で運動をしたりもできるよ。でもね、警察署と違って、生活態度を法務教官に監視されているから、部屋で横になったりしたら叱られるんだ。ゴロゴロ、ダラダラはダメなんだ。

午後からの生活

12時、お昼ご飯の時間だよ。お昼ご飯は法務教官が部屋まで運んできてくれるよ。お昼ご飯のメニューは日によって違うんだ。食べ終わったら少しの時間だけ横になることができるんだ。ほんの15分だけどね。午後の過ごし方も面会がある人とない人で同じような感じかな。

17時、夕ご飯も法務教官が運んできてくれるよ。ご飯を食べたら、決められた時間勉強しないといけないんだ。勉強する科目は数学や漢字、英語など色々あるよ。時間は30分ってところかな。

その勉強が終わったら、日記を書いて、ニュースを見る時間。ニュースは録画されているものを流してくれるんだ。

その後は、法務教官が決めたテレビ番組をみる時間があるよ。といっても法務教官が決めたチャンネルしか見ちゃだめだから、好きな番組は見れないよ。

「就寝準備」という法務教官の声が施設に鳴り響いたら、法務教官が点呼に回ってくるから、急いで布団を引いて寝る準備をして、部屋の中央に正座して点呼の準備。点呼が終われば就寝だよ。

お風呂は、週2回ほどしか入れないよ。それに警察署と同じで外で法務教官が監視しているよ。他にも日記の内容とか勉強の進み具合とか、すべて法務教官の監視のもとで生活をしていくんだ。部屋での生活態度とかもね。あと部屋を出るときは必ず身体検査、持ち物検査をされるよ。

過ごしている部屋は警察署よりもマシだけど、結局誰かに監視され続ける生活をするってことだね。しかも生活態度まで。

やっぱりこんなところの生活はいやだって、自分が悪いことをした場合は、なんであんなことをしちゃったんだろうって、寝る前に泣いちゃう人もいるよ。

結論
お父さんお母さんと自由に会えない。
やっぱり常に監視されている。
部屋でゴロゴロすることもできない。

先生
普段聞きなれない「鑑別所」での生活はどうでしたか?
したい?したくない?

 

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