昨日、警察が、誹謗中傷を繰り返していた20代男性を侮辱罪の容疑で書類送検しました。
誹謗中傷とは、他人を悪く言ったり、根拠のないことを言いふらしたりして、人を傷つけることです。
最近、インターネットやSNSで、誹謗中傷が問題になっています。
匿名の世界だから、相手のことをよく知らないから、こんなことがしやすいのでしょうか。
まず、インターネットやSNSは、表面上は匿名だけど、法律上の手続を経れば、投稿者を特定することは容易です。なので、実際のところ匿名なんかではありません。今、法改正が進んでいて、投稿者を特定することがもっと簡単になります。
でもそんなことじゃなくて、匿名であっても、そもそもそんなことしちゃダメなことは言うまでもないですよね。
よく誹謗中傷すると、名誉棄損罪だったり、侮辱罪になるから気を付けようなんて言われることがあります。名誉棄損罪と侮辱罪の境目は、事実を言ったかどうか。単に「バカ」とか言った場合は侮辱罪、「あの人って○○らしいよ。」って言って人の評判が下がるような事実を言った場合が名誉棄損罪。
だけど、こんなことが重要なんではなくて、なぜ侮辱罪や名誉棄損罪が刑法に犯罪として規定されているかが重要です。
刑法に定められている犯罪、一つ一つに保護法益(ほごほうえき)というものがあります。例えば、殺人罪だったら人の命、傷害罪だったら人の身体の安全です。同じように、名誉棄損罪や侮辱罪も保護法益があります。それは人の名誉だったり、名誉感情です。名誉って何かって言うと、その人の社会の中での評判だったり、面目だったり。
人は、社会の中で生きていく生き物なので、人が人として生きるには、その社会だったり団体での評判なんかがとても重要です。ありもしないこと、影で噂されて後ろ指をさされ続ける生活、耐えられますか?
改めて、木村花さんのご冥福をお祈り申し上げます。