大学入学共通テストで、鼻出しマスクをやめなかった受験生が不正行為としてみなされて成績無効となったみたい。その後トイレに立てこもり警察も出動という事態になっちゃったみたいです。
試験監督官も苦渋のご決断だったんでしょうね。何より、その周りの受験生が動揺して試験の出来に影響なければいいですが。。
試験の不正行為っていうと、カンニングとかがイメージされると思うけど、試験の際に配布される「注意事項」で様々あります。
大学入学共通テストでは、「受験上の注意」っていう冊子が郵送されていたみたいですね。そしてそこでは「試験場内では常にマスクを正しく着用してください」「試験場において監督者等の指示に従わないこと」が不正行為となりますとの記載があったようですね。
なお、特別の事情でマスク着用が難しい場合は、事前に申請すれば、別室の受験が可能でした。
この受験生は、試験監督官からの再三の注意に関わらず、それに従わず、6回目の注意のときに「次に従わなかった場合は、不正行為になります」と通告されたけど、それでも改めなかったので、失格になったようです。
今日この記事を取り上げたのは、この流れ、実は法律や裁判で重要視されるところが盛りだくさんに盛り込まれているからです。
まず事前に「根拠となる定め」がされていること。今回であれば、「試験場内では常にマスクを正しく着用してください」「試験場において監督者等の指示に従わないこと」が不正行為となりますとの記載が事前に明示してあったこと。
次に、「代替手段」が用意されていたこと。特別の事情でマスク着用が難しい場合は、事前に申請すれば、別室の受験が可能だったということです。
次に、「適正な手続」によって、違反の程度に従った内容の処理がされたということ。1~6回目は注意(戒告)して、6回目に次に違反した場合に不正行為と扱うと明示したことですね。
明確な根拠のもとで、段階的に制裁、処分等をしていく。それに対応不可能な人のために、代替措置を用意しておく。この3つの要素は、法律だったり、裁判例だったりで、重要視されることが多いです。
そういう意味で、今回の試験監督官のご判断と手続は、深い配慮に基づいたものだなぁと思います。