共生社会
「共生社会」って聞いたことあるかな?障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる社会を「共生社会」といいます。
障害者差別解消法と学校生活
そんな「共生社会」の実現を目指して、「障害者差別解消法」が制定されました。
障害のある人は、社会の中で生活しづらい場面に遭遇します。それは学校生活でも同じです。
例えば、肢体不自由。足が何らかの原因で不自由になった方です。みんな通学は自転車や電車でしているかもしれませんが、車椅子での移動。自転車での移動は難しいし、電車でもかなり労力がかかります。
また、色覚異常。色と他の人と違う色で認識されることです。学校生活で、黒板に重要な箇所を赤色で書いたりしますよね。それが見えない子もいるんです。
他にも、沢山困りごとはあると思います。「障害者差別解消法」の対象となる「障害者」には、障害者手帳を持っている人だけでなく、心や身体の働きに障害があって、生活に制限をうけている人すべてが含まれます。何かで困っている友達がいれば、相談に乗ってあげてください。
合理的配慮
じゃあ、困りごとがある場合、どうしたらいいか。障害者差別解消法では、「学校」側に「合理的配慮」を求めています。
「合理的配慮」とは、障害のある人から、社会の中にある困りごとを取り除くために対応を必要としていると伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で、対応することです(私立の学校法人では努力義務)。
※国地方公共団体に関しては法的義務ですが、事業者にとっては努力義務です。努力義務とはできたらしてね程度と思ってください。私立の学校なんかも努力義務です。
ですので、まず、先生に、困りごとを伝えて、どうにかしてほしいって伝えましょう。例えば、肢体不自由の子の移動に関しては、過去に、通学にその子の両親を付き添わせた対応だったり、移動を補助する学生ボランティアを活用した対応だったり、様々なものがみられます。
色覚異常に関しては、過去に、黒板で使う色に配慮して、強調部分は色を変えるのではなく、波線等で強調するように対応した事例もあります。
注意点
あくまで、「合理的配慮」は、負担の重すぎない範囲で、されるものです。例えば、先の下肢不自由の件で、その子が「学校に通うのが不便だからタクシー代金を学校の負担で送迎してほしい」と言って来たら対応できますか。あるいは、「(いつもは両親が送迎しているのに)今日は両親の調子が悪いから、今日すぐに迎えに来て欲しい。」と言ったら対応できますか。できません。前者は金銭的に負担が重すぎますし、後者は学校の人員配置上できないでしょう。
このように、あくまで「合理的配慮」は負担が重すぎない範囲でしか認められません。障害者差別解消法の目指す「共生社会」は、障害を持つ人も持たない人も、互いに認め合いながら共に生きる社会です。障害をもつ人も持たない人も、相手の立場にたってものを考えて、制度を利用していく姿勢が求められるのです。