アウティングとは、ゲイやレズビアン、バイセクシャルなど性的指向や性同一性を、本人の同意なく、他の人に漏らすことをいいます。
世の中には、女の子を好きな女の子、男の子を好きな男の子、女の子も男の子も好きな女の子、体は男の子だけど女の子の気持ちをもっている人など様々な人がいます。
女の子は男の子が好きで、男の子は女の子が好き、という考えは必ずしも正解ではありません。
1人1人、自由に生きる権利があり、誰を好きになるのかも自由です。
今の世の中では、人はそれぞれいろいろな考えがあるということ少しずつ受け入れられるようになってきていますが、多数派の考えが優先されてしまい、少数派の考えがおかしいように受け取られることも現実にはあります。そして、それを少数派自身もわかっているからこそ、少数派は自分のことを秘密にしたいと考えます。
相手を好きな気持ちを、勇気をもって伝えたところ、その相手が自分の性的指向を他の友達にバラされ、自殺をしたという事件で裁判がありました。
平成27年8月大学院に通っている男子学生が友達の男子学生に付き合いたいと告白したところ、告白された男子学生は、友達と思っていた男子学生に告白されたことを自分1人では抱えきれずに、戸惑ったり悩んだりして、友達が複数いるライングループで男子学生がゲイであるとメッセージを送ったそうです。その結果、告白をした男子学生は、自殺をしたようです。
この裁判で、裁判官は、アウティングは、その人の人格権やプライバシー権等を著しく侵害する許されない行為であると判断を示しました。
人の秘密にしたい性的指向を他の人にバラすのは、不法行為だと考えたのです。
そして、日本の役所で働いている人たちも、アウティングによって困る人が出ないよう、アウティングを禁止する条例を作ろうと動き出しています。アウティングについてのルールを地域ごとに作ろうというのが条例です。
ある条例では、「何人も、性的指向、性自認等の公表に関して、いかなる場合も、強制し、若しくは禁止し、又は本人の意に反して公にしてはならない。」とアウティングを禁止することをルールとして決めています。
誰にだって他の人に知られたくない秘密というのがありますね。
その秘密が悪い事でも良いことでもです。
秘密をばらすと悲しむ人がいるということをしっかり胸に刻みましょう。