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男の子
兄が1人いますが、家に引きこもってて、働く気もないみたい。

先生
それは大変だね。今は親が生活費出してるの?

男の子
そうです。でも、親が死んだら僕が生活をみないといけないのでしょうか。

先生
悩ましいね。法律ではどうなっているか解説しますね。

世の中では、働かずにニートになって家で引きこもっている人が多くなっています。

人それぞれには事情があって、必ずしも悪いこととは決めつけられません。

でも、生きていく上では、ご飯を食べないといけないですし、住む家も必要です。

つまり、生きていくのにお金が必要なんです。

では、ニートの兄がいた場合、兄の生活費は誰が出すの?

もしかして、兄弟なので自分かも?と不安に思うところですので、そこのところご説明します。

扶養義務(ふようぎむ)ってなに?

子どもを養うのは親の義務だ!と聞いたことや考えたことはないですか?

これは、道徳的な意味だけではなく、法律の根拠があります。

それが「扶養義務(ふようぎむ)」というものです。

民法(みんぽう)という、みんなの生活について定めたルールで決められています。

では、このルールで、ニートの兄も養わければならない。と決められているのでしょうか。

実は、兄弟姉妹も互いに扶養義務があると決められているのです。

そのため、ニートの兄を将来養わなければならないのです。

自分の生活が苦しい場合でも生活費を渡さないといけないの?

でも、将来自分がお金持ちになれれば生活費渡してもいいけど、生活がカツカツだったら、実際生活費渡すなんてできないと思うし、結婚したり子どもができたりするとそんな余裕ないよね。

生活がカツカツな時でも、ニートの兄に生活費を渡さないといけないのか?というともちろんそんなことはありません。

これは、親の未成年に対する扶養義務とは少し内容が違います。

親の未成年者に対する扶養義務は、仮に子どもを育てることによって、親の生活が厳しくなっても、それはしょうがない、親の義務として、子どもを優先しなさい。となっています。

これに対して、兄弟姉妹の場合は、そこまではする必要はありません。

自分の生活を犠牲にしない範囲で生活費を渡せばよく、生活がカツカツで余裕がなければ、生活費を渡さなくても法律違反にはなりません。

兄弟が何人もいる場合は誰が面倒みるの?

ニートの兄と2人兄弟の場合は、あなたがニートの兄の面倒をみないといけないことは説明したとおりです。

では、例えば、他にも兄や姉がいた場合には誰が面倒をみることになるのでしょうか。

女の子に面倒をみさせるのはダメだから、結局自分が面倒を見るのか?

次男がニートの場合、長男が面倒をみるべきで、自分は面倒見なくていいのか?と疑問に思うかもしれません。

でも、民法は、女の子だからって面倒をみなくていいとか長男だから面倒をみるべきだとは決めていません。

あくまでも兄弟姉妹は全員同じ立場であって優先順位はない。兄弟姉妹全員で話し合って面倒を見る人を決めたり、それぞれどれぐらい生活費を負担するか決めなさい。とされているのです。

話し合って決めると言っても、みんなニートの兄の面倒をみたくないって言うよね。。

その場合はどうなるか?

みんなで話し合っても決まらない場合は、家庭裁判所の裁判官がみんなに代わって決める、というルールになっています。

兄弟の家族状況や給料の額を見ながら、裁判官が決めることになるのです。

生活保護で生活できる?

もし、兄弟全員生活が苦しかったら、兄はどうなるの?

「生活保護」という言葉は聞いたことあるよね?

生活保護というのは、国が家賃や食費などの生活費を援助してくれるという制度です。

例えば、病気で働けなくなった人が使うことになります。

でも、必ずしも病気で働けなくなった人だけでなく、ニートの場合でも生活保護を受給することができるんです。

そうすると「働いたら負け?」って思う人もいるし、「ずるくない?」と思う人もいるかもしれません。

でも、生活保護を受けると、ケースワーカーという担当の人が付くことになり、働きなさいと言われたり、しっかりお金を使っているか管理されることになります。

また、生活保護は最低限生活に必要な生活費を受け取れるだけで、ぜいたくな食事や旅行に行ったり、欲しいものを買ったりするお金は貰えません。

みんな事情はそれぞれです。生活保護を貰うことは悪いことではありませんが、制限があることも事実です。

結論
扶養義務があるので、兄弟に生活費を渡さないといけない。
自分の生活が苦しい場合は、渡さなくてもいい。
生活費の援助を拒否した場合、兄は生活保護を受けれる。

先生
絶対に生活費を渡さないといけないわけではないけど、ほったらかしも嫌だね。もしかするとお兄さんも不安かもしれないから、相談相手になってあげよう。

 

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