先生
政府が、「特段の事情」を除いて、外国人の入国を全面的に制限するようですね。出産とか家族の葬儀とかの場合が、「特段の事情」にあたるらしく、今まで一部制限されながらも認められてきたビジネスでの入国も停止されるようです。
ところで「特段の事情」って言葉、普段使いますか?使いませんよね。
法律家には馴染みのある言葉なんですけど、一般的に使われているのは見たことないですね。裁判所とかは、よくよく判決文でこの言葉を使います。
「特段の事情」とは、「一般の事情」の逆の「特別の事情」ってことです。「事情」って何かっていうと、「理由」って意味で捉えるとわかりやすいかもしれないですね。あるいは、「特段の事情」は、「特例」だったり、「例外」だったりと考えるとわかりやすいかもしれません。
「原則ダメだけど、例外的にOKだよ。」と言うときに、「特段の事情」って言葉を使ってみると、「特段の事情のない限りダメです。」って表現になります。
今回の入国の停止も、「特段の事情がない限り、入国が停止されます。」って表現されていますが、これは「原則入国は停止だけど、例外的に入国OKな場合があるよ。」って意味だと考えていただければいいかと思います。
こんな風に、法律の世界の独特の言葉がたくさんあります。
他には、「なぜならば」って理由を言うときに、なんでかよくわかりませんが、「けだし」って言ってみたり・・「けだし」の本来の意味は「たぶん」とかいう意味なので、本来の使い方とは違うと思うんですが(というか、普通に「なぜならば」と言えばいいと思うんですが)・・
こんな風にいろんな世界にいろんな言葉があります。専門用語とまではいえないかもしれないけど、国民に説明をする場面で、わざわざそんな言葉を使う必要があるのか?とは疑問に思いますね。