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先生
クビには、厳格な要件が定められてます。

内部告発を理由に懲戒解雇されたのは不当だとして、宗教法人「神社本庁」の元部長(61)らが処分の無効を訴えた訴訟で、東京地裁は令和3年3月18日、「懲戒権の行使に客観的な合理性はなく、社会通念上相当性を欠く」と原告の訴えを認める判決を言い渡しました。

神社本庁っていうのは、日本にあるほとんどの神社が加盟している宗教法人です。

今回の発端は、その宗教法人の持ち物だった不動産を、役員の人たちが不当に安く売ったのでは?と部長らが内部告発しました。
法人の持ち物を不当に安く売って、自分だったり他人に利益を図らせる、これは刑法でいうところの背任罪にあたります。
役員の人たちは、いやこれこれこういう事情があって売却価格を決めましたよと説明すればよかったのですが、その内部告発した人を懲戒解雇した、そんな解雇は無効だとして争ったのがこの裁判です。

裁判所は、背任行為があったとまでは認定できないが、「背任行為があったと信じるに足りる相当の理由があった」とした上で、公益通報者保護法の趣旨から内部告発に違法性はなく、「懲戒すべき事由と言えない」と判断しました。
要は、そんな懲戒解雇無効です、ダメですよって判断したわけです。

従業員を解雇する場合、労働基準法上、客観的に合理的な理由があることが必要です。
また、公益通報者保護法というのがあって、一定の違法行為に関して労働者が内部告発した場合、解雇とか減給など、不利益なことしちゃいけませんよってルールが定められてます。
そうすると、今回、内部告発したことを理由に懲戒解雇しているわけですから、当然客観的に合理的な理由があるはずもないのです。

宗教法人側は、裁判で、「(敗訴すれば)包括宗教団体としての組織維持ができなくなる。被告は、伊勢神宮や皇室と密接な関係があって、いわば『日本の国体』の根幹を護っている最後の砦である。(中略)決して裁判所が日本の国体破壊につながることに手を貸す事態があってはならないと信じる次第である。」と主張したようです。
一文目から論理の飛躍が見られますし、この裁判で強調すべきことを主張しているとも思えませんね。
そして、日本の国体の根幹ということを自負されているのであれば、少なくとも日本のルールを守った組織運営をしてほしいですね。

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