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「店内でのウマ娘プリティーダービーのリセマラはご遠慮ください」

「ウマ娘」の略称で知られる「ウマ娘 プリティーダービー」。大ヒットですね。
そんな中、ユーモアのあるラーメン店の注意書きを発見。
メニュー表の端に、「店内でのウマ娘プリティーダービーのリセマラはご遠慮ください」という衝撃的な注意書き。
東京都台東区にある人気ラーメン店「浅草 参食堂」さんによるもの。
「リセマラ」とは、リセットマラソンの略で、アプリゲームを開始する際に無料で引けるガチャで、できるだけいいアイテムをゲットするために、いいアイテムが出なかったら一度アプリをアンインストールしてガチャを引き直す行為をいうらしいです。
バイト先で、飲食店のお昼時、稼ぎ時に、食後居座って「リセマラ」なんかされたら、お店側としてはたまったものじゃないですね。

居座り行為は単なるモラル違反?

飲食店は、ただ飲食物を提供することだけがサービスではなく、お店の一部の使用をサービスの一環として提供しているわけです。ですので、食後、お店に居座る行為がただちに法律に反するわけではありません。
でも例えば行列ができているのに、食後お水だけ飲んで、ぺちゃくちゃしゃべり続けている人とか、携帯ゲームに没頭している人とか、そういう空気の読めない人に遭遇したことがある人は少なくないはず。モラルにはやはり反しますよね。
アルバイト先でホールを回しているときそんなお客さんに遭遇したら迷惑ですね。

居座り行為が違法となるとき?

この居座り行為、限度をこえると刑法上の不退去罪にあたりそうです。
刑法130条の不退去罪は、「人の住居やその他の建造物、船などに入り、管理者や権利者から退去を求められたのに退去しなかったとき」に成立します。飲食店の店主が、その店舗の管理者で、その店主が帰れっていったのに帰らない場合ですね。

不退去罪が成立するとき?

ただ注意すべきは、店主が「帰れ」とひと言言っても帰らないからすぐに不退去罪が成立するわけではありません。
不退去罪が成立するか否かは、どんな目的があって帰らないか、どんな行為がされたから「帰れ」と言われたか、帰れと言われてから帰らなかった経過時間なんかを考慮して決定されます。
飲食店は、お客さんを呼び込んでお店に入ってきてもらっている立場ですので、いきなり押し売りや飛び込み営業が入ってきて帰らない場合よりも、不退去罪が成立する可能性は低くなりそうですね。
ただ、飲食店でも過去にラーメン店で、ラーメンと餃子を注文した男性に対し、店がラーメンを先に持ってきた事案において、男性客が店に対して「餃子が先だ!」とクレームを述べて3時間居座った事例で、どうも不退去罪で逮捕されたという事例があるようです。
ですので、居座っている理由と時間が、極めておかしい場合には不退去罪が成立しそうですね。

不退去罪が成立すると?

不退去罪が成立すると、刑法上の罪に問われるだけでなく、民事上の違法行為として損害賠償請求の対象にもなりえます。居座り行為によって生じた損害、つまり、次のお客さんが入れられなくなって出た売上の低下などの損害を賠償できるといったところです。

店舗としてできること?

とはいえ、先にいったように不退去罪が成立する場面はなかなか想定しにくいです。通常よく見る、空気の読めないお客さん、モラルのないお客さん程度では、なかなか成立しないでしょう。
このため、お店側としては、「繁忙時には食後10分以内に退店をお願いします」などと貼り紙をしておく必要はあるかと思います。この張り紙があるから10分以上居座ったら即不退去罪だということではありません。しかし、この張り紙によって、お客さんに道義的義務を課して圧力をかけることは可能ですし、退店を促すときの根拠にもなるわけです。「あなただけではなく、お客さん全員に守ってもらっているルールです」と。
今回紹介したラーメン屋さんは、おそらくはネタで書いておられるんだと思いますが、スムーズな店舗営業にはこういう類の張り紙は必須なのかもしれないですね。

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